高校生になると、それまでよりも一層勉強の内容が難しくなる上、教科数もずっと多くなります。そのためテスト勉強の時も1教科にじっくり時間をかけることが出来なくなり、なかなか自分の苦手分野が見つけづらいものです。

さらに運動系などの部活動をやっている人にとっては文武の両立も大きな課題となってくるでしょう。

そんな方のために、私が高校生活の中で培ってきた効率的な勉強法を、具体例を交えてお話ししたいと思います。

まず始めに……

これから書くことはあくまで私自身の勉強法に過ぎません。ですから、自分の中で理想の勉強法が見えている方、あるいは既にそれを実行出来ている方はそちらを続けて行うべきです。

何をしたら良いか皆目見当がつかなかったり、色々やってはみたけどどれもしっくりこなくて成績が伸びない、という方は是非参考にしてみて下さい。

授業についていくには

例えば中学までの「国語」なら「現代文」と「古典」に分かれたり、「社会」なら「地歴」と「公民」に分かれたりと、学校によって履修する学年は違いますが、それまでよりも多くの教科を同時にこなさなければならないのが一般的な高校の授業です。

その一つ一つが小学校中学校よりも一層専門的で深い分野にまで及んでいますので、それら全ての教科を上手いことこなすのはなかなか難しいように思えます。

しかし、 自分に合った勉強スタイルを身につければ予想以上に 早く効率的に、しかも 誰でもテストで良い点が取れるようになるのです。

私がこれからお話しすることは、その一例に過ぎません。これを読んでいて、あるいは勉強していて「こうした方が良いんじゃないか」、「こうした方がもっと効率的なんじゃないか」という勉強方法に思い当たりましたら、どうぞそちらをやってみて下さい。

大分前置きが長くなってしまいましたが、まずは高校の授業について説明します。

先生によって多少の差はありますが、基本的に授業の進め方はどの教科も中学と一緒です。当然生徒はノートと鉛筆を使いますし、先生は黒板とチョークを使います。

予習→授業→復習が肝要なスタイルということも既にご存じのことかと思いますが、高校では特に 予習復習が大切になってきます。何故ならば、 予習をしなければ授業にはついていけないし、復習をしなければ授業で習ったことをモノに出来ないからです。当たり前のようですが、このスタイルを必要な全ての教科でしっかり行っている人は意外に少ないです。

逆に言うと、これらをしっかり励行出来た人が全教科で平均して高い成績を維持しているものです。

では、こう言った理想的なサイクルを実行するためにどうしたら良いか。

社会人なら答えは簡単です。それは、 計画を立てる、です。

何故社会人なら答えが簡単なのか。会社勤めの方なら特にそうですが、社会では一般に何か物事を行う際には必ず
Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)
このローテーションが取られるからです。これを4つの頭文字を取って PDCAサイクルと言います。

このPDCAサイクルにさっきの理想の勉強スタイルを当ててみても分かります。Planが予習、Doが授業、Checkが復習に当たるのです。「勉強法」を考える時も同じです。

試しにある勉強計画を立てて実行、成績を鑑みて反芻し、改善を図る……。このアイデアは万事に共通するスグレモノと言っても過言ではないでしょう。

このような手法から勉強を始めるにあたってまずすべきことは、やはり計画を立てることだと思います。

中学時代、テスト2週間前になると毎回「テスト勉強の計画表」なるものが配られました。私はこの計画表を高校でも用いて勉強を進めました。私の受けていた通信教材にも毎月スケジュール表がついていましたので、平時は月のはじめにそれに「その日すべきこと」を書き込み、その後はそれに従ってひたすら勉強を進める、というスタイルでした。

と言っても1日の勉強量はそこまで多いものではなく、毎日3時間以上が具体的な目標ではあったのですが、全然達成できない日もありました。しかしそんな時でも翌日の計画を前倒しするなどはなく、 仕方なくゲームをして時間を潰していました。

で、具体的に書き込んだことですが、基本的には通信教材の課題を1日それぞれ1ページずつ、あとは時間割に沿って予習が必要そうな教科のある前日にその予習を計画を入れておく、という感じでした。

予習が必要そうな教科は、例えば古漢や、英語リーダー、必要に応じて数学などですね。もちろんこの辺は教科担任の先生にもよりますから、必ず先生に予習の是非を聞いてから計画を立てるようにして下さい(普通、理社で予習が必要なことはないと思いますが……)。

テストで良い点を取るには

全てに共通して言える勉強法を一般化して、それで全部の教科で上手いこと点が取れたら、それほどラクなことはありません。しかし現実はそこまで甘くはないのです。

例えば必修3教科(国・数・英)とその他の科目(理社)では普段の勉強法は大分違ってきます。

そもそも自習の比率からして前者、国数英の方が多くないといけないのであって、それは理社で多くの宿題が課されようとも同じことです。特に国語や英語は高校までの積み重ねによるアドバンテージ、ディスアドバンテージも大きく、小中であまり力を入れて勉強しなかった人はなおさらそちらに重点を置くべきなのです。

語学は修得に多大な時間を要します。グローバル化とは言え、英語など やる必要がなければやらない方がよっぽど生産的なのです。少なからず私はそう思います。これは多くの学者も論じていることです。まぁ、意見は分かれるところですが……。

とにかくですね、まず重要なのは「受験までの時間は限られており、相対的に見れば早く対策をしないと手遅れになるのは必修の3教科」だということです。

決して理社を疎かにして良いとは言っていません。ですが、日本語の文章の要点を掴むこと、あるいは何百もの英単語を覚え、英文法をモノにし、そして文章化する、そんな途方もない難易度のことよりかは少なくとも数倍 “多少学習に遅れをとっても” 何とかなると思います。

では数学に関してはどうでしょうか。

当の私がセンターの数学(特に2B)で大失敗をやらかしている手前、あまり大きいことを言えるタチではないのですが、とりあえず普段の数学の勉強で 電卓を使ってる人は要注意です。

普段の授業で公式を覚えるための演習を繰り返す時や、あるいは家で復習をする時はまだ良いかも知れませんが、そのツケは確実にセンター試験に回ってきます。

センターの数学は1A、2Bいずれも60分です。最初はこれを長いように感じるでしょうが、実際に模試を受けてみるとこれが全っっっ然足りないんですね。あんまりゆっくり解いてると、もしかしたら大問4つあるうちの半分くらいしか出来ないかも知れません。

1問1問はサッサと解いていかなければなりません。そのくせマークシート方式ですので計算ミスが0点扱いになります。「よっしゃ! この問題は速く解けたぞ!!」と思っても、(1)辺りで凡ミスしてたらどうですか。そのミスが設問全てに響いてくるのです。まったくタチの悪いことです。

つまり、センター試験の数学では、普段以上に 速く、そして 正確に1問1問を解き進めなければならないのです。これには十分な練習が必要です。

学校でセンター対策がある方は大丈夫ですが、学校で対策のない方、あるいは対策したけどそれでも不安な方は自習用にセンターの過去問を買っても良いでしょう。

……結局テストじゃなくて大学入試の話になってしまいましたね。スミマセン…

参考教材

最後になりますが、私が高校時代、実際に自習あるいは受験勉強に使った教材をご紹介します。

なおこの中には学校専売品もあり、個人で購入できないものもございますのでご了承ください。もしそう言った教材が欲しいのであれば……どうでしょう、先生に土下座して頼みこんでみるというのも手かも知れませんね(笑)

記述対応 現代文長文演習 標準編[改訂版]
名前の通り現代文の記述力を磨く問題集。評論と小説それぞれ8つの文章があり、色々なジャンルの出題に対応出来ます。また解説が非常に分かりやすく丁寧で、マーク式の試験に共通することも多く書かれているので受験の最後の最後まで重宝します。

Make Progress in English Reading
主に難関国公立を目指す人向けの英語長文問題集。正直、難易度は物凄く高いです。中には英語の先生でさえ手こずった問題もあったとかなかったとか……ですが、解答は二色刷で明快になっています。難関国公立向けと言いましたが、新潟大学を目指す人で二次試験に英語があるならばやっていて全く損はないですよ。

速読英単語(1)必修編
言わずと知れた? 英単語帳の大定番。センター試験や有名58大学の入試出題データを基に選定された1900語を収録しており、大学入試の単語演習はこれ一冊あれば十分というほど。短い文章をセクションごとに掲載しているので読解の練習も出来る優れものになっています。

大学入試センター試験過去問題集数学1・A/2・B 2012年 (大学入試完全対策シリーズ)
過去問を取り扱っている出版社は色々ありますが、その中でも比較的取り組みやすく解説が丁寧で自学に向いているのがこの駿台予備校のシリーズ。また本試6年、追試4年と分量が多くなく直前期に最適なのもこの問題集の魅力です。

大学入試センター試験実戦問題集生物1 2012 (大学入試完全対策シリーズ)
ある意味私が受験勉強をしている中で一番お世話になった問題集がこれ。こちらは上と違いセンターの過去問ではありませんが、センター試験より若干難易度が高く、しかしセンター本番の実力に直結するような良問ばかりを取り揃えた最強の問題集です。ご多分にもれず解説が至極丁寧で、演習→採点→解説のサイクルを徹底的にやればセンターで満点を取ることも夢ではなくなるでしょう。