中学高校を通して比較的得意科目としていた英語について、私なりの考えや勉強法を書いています。

Level.1 「英語ができない」の意味

一般的に英語に対し苦手意識を持っている人は、大きく二つのタイプに分類されます。ボキャブラリーが少ないタイプと、文法をしっかり理解できていないタイプです。

前者について言うならば、文中に登場するほとんどの単語の意味が分からなければ当然その文章全体としての意味も分からないわけです。一見致命傷のようにも思えます。

しかし苦手意識として重症なのはむしろ後者の方なのです。

例えば「単語がなかなか覚えられない」と言う人がいますが、これはえてしてその人の覚え方が原因である場合が多く、そしてまたその原因の多くは英単語と意味だけを関連付けていることにあります。単語など方法を変えれば必ず覚えられるのです。

後者が重症と私が言うのは、単語や熟語の意味が全て分かっていても、文法を御座なりにしていると結果として長文を読んでいても途中で時系列が分からなくなってしまったりするからです。

精読よりも的確な情報察知が求められるTOEICなどでは単語を覚えるだけでそれなりに良い点数が取れるかも知れませんが、多くの受験英語では、そうはいきません。一つの話題に8パラグラフもあるような文章では、意味の分かる単語だけを追っていても集中力も続かなければ話の意図も掴めませんよね。

ですからまず殺伐として「英語がちんぷんかんぷんだ」という人――センター筆記で200点満点中100点未満の人――は中学文法からやり直してみることをお勧めします。

Level.2 中学レベルの文法知識

高校生になるためにどの程度の文法知識が必要だったか。

多くの人が詰まるのは、完了形が出てきた辺りでしょう。ですが、厳密に日本語訳する必要のない試験では、あまり完了形を意識する必要はありません。

大事なのは、完了形+進行形、完了形+受動態として文中に登場したときに慌てないということです。

あまり構えずに、どうしても先に進めずしっかり理解したい場合は、
「現在完了(have + p.p.)か過去完了(had + p.p.)か」、「進行形(been doing)か受動態(been + p.p.)か」
という手がかりをもとに、動的な時間を表現していることを意識しましょう。

Level.3 高校レベルの文法知識

高校英語になって急増するのは省略です。この3年間、数多くのイディオムや慣用表現を習う、あるいは習ってきたかと思いますが、その多くは何かが省略されていると気付くことによって意外なほどにあっさりと理解できてしまうものです。

ですから、もし文中、見たことのないイディオムを見かけたら何かを補完したらちゃんとした形の文章にならないか考えてみて下さい。

文法の省略形と並んで高校英語の大きな壁をなすのが関係代名詞でしょう。

教科書レベルでは「その程度のことか」と思えていた一文さえもいくつものフレーズが重なり合うことで極端にわけの分からない文章へと変化します。センター試験の第6問がそれの典型といえます。

これに慣れるには、もはや場数を踏むということしか他にありませんが、早くコツを掴むためには文節を区切ってみると良いでしょう。

中には上級者でもどこに掛かっているのか判断しかねるthat節もあります。例えば、

There is an idea current in the prevailing culture that writing about something that pains you heals the pain.
(一橋大)

ザっと読んだだけではもう何が何やら分かりません。そこで、ひとまずこう区切ってみることにします。

There is an idea (current in the prevailing culture) that [writing about something that <pains you> heals the pain].

こうすると最初の that は idea に掛かり、そのthat節の中の that は something に掛かっていることが分かるのです。

どうでしょう。とにかく冷静に判断すること、二つ目の文節が and that で繋がれていて前文のthat節と並列になっていないかなどを確かめてみることです。

Level.4 表記法をどう読んでいくか

ある程度勉強が進んで、頭を悩ませるのは表記法です。訳に決まったパターンが見つけにくいうえになかなか参考書をひも解いても載っていなかったりするのでどうしてみようもないように思えます。

そこでここでは、コンマ、コロン・ダッシュ、セミコロン、イタリックと大きく四つに分けてその使われ方をお教えしていきます。

コンマ(,)

文頭にくる句や節の後に置く。

ex) Even if you fail, ~

語句を3つ以上並べるときに、<A, B, and C>の形で用いる。

ex) I love Haruhi, Satsuki, and Tomoka.

同格を表すときに用いる。

ex) My wife is Haruhi, a character living in the world of 2D.

挿入を表すときに用いる。

ex) Racing comments are, I think, obstacle.

コロン(:)、ダッシュ(―)

直前の語句を言い換えたり、具体的に説明するときに用いる。

ex) The world of 2D, consists of 3 elements: cartoons, VOCALOID, and To-ho.

セミコロン(;)

二つの文を接続詞を使わないで繋ぐときに用いる。

ex) Miku has emerald hair; Ruka has pink.

イタリック(italics)

外来語や書名などに対して用いる。

ex) The light-novel “The Melancholy of Haruhi Suzumiya” is so popular that it becomes a best-seller.