私が中学、高校の6年間で愛用し続けたのがこの「赤シート戦法」という勉強法です。

勝手に作った言葉ですが、知ってる方はもうこの言葉を見ただけで大体どんなことをするのかお分かりになると思いますが、知らない方のために少しお話ししておこうと思います。

「赤シート戦法」というのは、簡単に言えば典型的な暗記方法です。

用意するものはルーズリーフとオレンジ色のペンと赤色のクリアシートだけです。オレンジ色のペンはなるべく薄い色の方が良いですが、使っている方はハイテックC コレトのオレンジ色で構いません。クリアシートについても、通信教材をされている方は大体どこかしらの付録としてついてくるのではないかと思いますし、やってなくてもそこら辺で売ってる赤色の下敷きで大丈夫です。ただしちゃんと透けるように透明のものを買って下さいね。

それでは具体的なやり方をお教えします。

まずこの「赤シート戦法」は主に理科社会の科目に有効であり、国数英にはあまり向かないということを知っておいて下さい。国数英に使えないこともないのですが、有効な手段になるとして定期試験くらいのものですし、先々を見据えるならこの3科目は学校で配布されたり市販されている参考書を使った方が効率的です。

用意するものを揃えたら、あとは覚えたい事項について、大まかな部分を鉛筆で、重要な語句の部分をオレンジで書き込み、オレンジで書いたところに黒で下線をつければそれでおしまいです。

ですが、ここまでは言ってみれば下準備みたいなものですよね。書いた紙は使わなければ全く意味がありません。というわけでこの紙を毎日持ち歩き、登下校時の電車など暇があればいつでも出して、赤シートで隠して覚えるようにしましょう。センターで理社を使う場合は本当に最後の最後まで重宝します。

紙が汚れるともったいないのでB5のクリアポケットでも買ってそこに入れてしまいましょう。

ちなみに赤い下敷きを使ってる場合、紙をポケットに逆さにして入れると一緒に下敷きも入れることで上にある項目から順々に覚えていくことが出来て便利です。

簡単な説明でしたが以上が「赤シート戦法」になります。

作ることもですが、重要なのは作った紙をコンスタントに活用することです。

話は少し逸れますが、「エビングハウスの忘却曲線」というものがあります。

忘却曲線(ぼうきゃくきょくせん)は、記憶の中でも特に中期記憶(長期記憶)の忘却を表す曲線。心理学者のヘルマン・エビングハウスによって導かれた。エビングハウスは、自ら「子音・母音・子音」から成り立つ無意味な音節(rit, pek, tas, …etc)を記憶し、その再生率を調べ、この曲線を導いた。エビングハウスの名から、「(ヘルマン・)エビングハウスの忘却曲線」とも呼ばれる。

上に示している図がその曲線です。このように、「見なければ忘れてしまう」というのが都合の良い人間の脳味噌なのです。つまり、一度覚えた気でいても1週間後にはその7割は忘れているということです。

もちろん、それではいけません。脳に「この情報は大事なんだぞ」と言いつけてやる必要がありますね。それにはどうしたら良いでしょうか。

そこで、この「赤シート戦法」を用いた反復学習です。

上の図にもあるように、人は同じことを繰り返しやればそれだけ記憶に定着するような脳の構造になっているのです。裏を返せばこれだけやらないと記憶というのは定着しないのです。だから皆さんの先生方も復習復習と口酸っぱく言うんですよ。

世の中には暗記の苦手な人もいます。私もその典型でした。高校では3年のギリギリになるまで理社をやろうとしなかったし、定期テストなんてついぞ60点台から脱出したことがありませんでした。

しかし、どんな人も出来ないことはないのです。それは天才も凡人も脳の構造は一緒だから。感性や精神的な面を見れば人それぞれなことはあるけれど、向き不向きもあるけれど、根本的には等しく同じものを与えられ生まれてきた存在なのです。

だから「やってもどうせ」なんて諦めないで下さい。やらないままに終わろうとするのは 最悪です。

長いようで短い受験生活。思うように成績が上がらず嫌になることもあるかも知れません。しかし最後は努力した者だけが報われます。

運動と違って勉強はやるだけ上がります。それは確実です。

今までの自分を信じて、そしてこれからの自分に期待して頑張って下さい。