ESが通ったら大体次の選考フローとして与えられる任務はWebテストになります。中小だと面接や筆記が先に来ることもありますが、大手では脚切りのためか早い段階で自宅受検が強いられます。またここではテストセンターの概要についても説明します。

玉手箱(GAB)

制作 日本SHL社
採用業界 医療・製薬・銀行・証券
出題科目 言語・計数・英語・性格
難易度 ADVANCED
URL e-exams.jp

大手・人気企業で積極的に採用されるWebテストです。倍率の高い企業に挑戦したい場合、避けては通れない形式のテストでしょう。

出題科目は大別して以上の4つですが、その中でもまた細かく違いがあります。言語なら「趣旨を把握する問題」「趣旨を判断する問題」「論理性を問う問題」の3パターンでいずれも長文読解です。計数は「表の空欄推測」「図表の読み取り」「四則逆算」の3パターンですね。それぞれ対策方法が異なってくるので、気になるようであればネットで調べたり、またその企業がどの組み合わせで出題してくるのかはテスト開始の一歩手前のページまで行けばある程度推測がつきます。

実は玉手箱(Web-GAB)と後述するWeb-CABは制作している会社が同じなので、これら二つを組み合わせて出題してくる企業も少なくありませんし、実際私の受けた大手ITのほとんどはこの組み合わせでした。またここの項目に四則逆算を記載していますが、Web-CABの対策本を買っても同様に四則逆算が取り上げられていたりするので、正直なところこの二つの線引きは曖昧です。

TG-WEB(従来型)

制作 ヒューマネージ社
採用業界 MR・製薬・メーカー・旅行
出題科目 言語・計数・英語・性格
難易度 EXTREME
URL assessment c-personal.com

業界、業種を問わず大手・人気企業で近年採用される傾向にあるというのがヒューマネージ社のTG-WEBです。このテストには 従来型新型があり、それぞれ 出題傾向はまったく異なります。私は恐らく一番最初の1社でしかこのタイプの試験を受けていないため詳述には及びませんが、従来型では難解で馴染みのない問題が出るようです。

言語分野では日本語の基本文法、知識を問う問題のほか、文章題はいずれも専門的な内容を含み、難読長文の傾向です。計数分野の出題は非常に幅広く、なおかつ積木、サイコロ、暗号、論理、推論など算数、数学の知識ではなかなか解けないようなジャンルばかりが並びます。計数では「誰が嘘ついてる」問題なども出るのでDSでレイトン教授シリーズをやり込んでいた人には若干有利かもしれません。若干ね。

CAB

制作 日本SHL社
採用業界 IT
出題科目 四則逆算・法則性・命令表・暗号・性格
難易度 EXTREME
URL e-exams.jp

大手IT企業の技術職採用を中心に行われているテスト形式。いわゆる理系的思考「地頭」の力が試される試験だとよく言われます。実際私もこのタイプの問題が苦手で、何社も落とされました。

GABやCABが苦手、だけど大手を狙いたい……という方はしっかりと対策しておくことが肝要です。Web-CABに対応した例で言えば【Web-CAB・GAB Compact・IMAGES対応】CAB・GAB完全突破法!(Amazon商品ページ)など生協書籍部でも2,000円くらいで手に入るものがありますので是非1冊買ってコツコツやっておきましょう。才能だけが求められる試験なんてありません。経験則に基づいた解き方というのはどんな問題にも存在しているのです。

CUBIC

制作 エージーピー
採用業界 自動車・石油
出題科目 言語・論理・数理・図形・英語・性格
難易度 UNKNOWN
URL web-cubic.jp

この種のテストを受検したことがないためその手のサイトの受け売りになってしまうのですが、主に言語・数理・英語では大体中学~高校までの内容が広く出題されるようです。また論理・図形は学校の勉強とはやや異なった出題傾向だそうですので、これも従来型TG-WEBと同様しっかりと対策をして慣れておく必要があるのだと思います。また、これら全ての科目が出題されるわけではなく、採用する企業によって違いがあるようなのでそこも注意しておきたいところですね。

TAL

制作 人総研
採用業界 IT・銀行・証券
出題科目 質問回答形式・図形貼付形式
難易度 BASIC
URL tal-sa.jp

大手企業で稀に採用されているテスト形式。数あるWebテストの中でも最も 正解の分からないテストがこれであり、質問の意味は理解できますからそういう意図で難易度を設定してありますが、だからといって誰もが受かるものではありません。特に図形貼付問題では「○○で活躍する自分」というテーマで 幾何学的な図形をペタペタと組み上げていく謎問題で、何をやっても「これだ!」と納得できないような仕様になっています。今までに2度受けましたが、どちらも落ちました。三角とか四角とか丸とかそんなんで自分を表現するなんて普通に描いてさえ絵心のない私に出来るわけないということで テトリスみたいにただただ画面を埋めるだけの作業になっていましたが、結局撃沈でした。予想通り。

調べたらどうやらこれ専用の対策書もあるようなので、本気で狙っている企業が運悪くこのテスト形式だったらそれでしっかりと正解を学ぶ必要があります。個人的には、こんな意味不明な試験で自分を評価されたくないな、というのが正直な感想です。

ビジネス診断

制作 株式会社プロモーション
採用業界 航空・不動産・コンサル
出題科目 性格診断 等
難易度 BASIC
URL jusin.jp

全日空など一部業界でESと共に受検する必要があるのがこのビジネス診断です。種類としてはESP、BSA、BBP、PPAの4種類があり、それぞれ異なった適性をみているようです。

【補足】Web-GABとIMAGES

Web-CABとの組み合わせで私がよく見かけたのが、 Web-GAB言語IMAGES英語形式の問題です。Web-GABでは全問題で解答形式が共通の三択(要するに○×△のどれか)となっているもので、IMAGES形式とは問題によって設問の異なる、いわゆる普通の試験問題です。どの組み合わせで出題されるかは、実際にテストのページに行ってみないと分かりません。分かりませんが、業界・業種ごとに一定の法則性はあるようです。

ここでは私が受けたなかで最も多かった出題形式を説明します。大手ITの場合、以下の順にWebテストが進むことが多いです。

言語(Web-GAB) 52問 / 25分
四則逆算(Web-CAB) 50問 / 9分
構造理解(Web-CABの「暗号」) 30問 / 16分
英語(IMAGES) 24問 / 10分
性格(Web-GAB本格版) 68問 / 20分(目安)

言語(Web-GAB)

長文読解です。設問が「 文章の論理から~」とあったらGABで間違いありません。大問一つにつき2~3個の小問が付き、下に述べられていることが合っているか否か、あるいはどっちとも言えないかを解答します。難易度は後半につれて難化していく印象を受けました。パパっと解けば、時間内に終わります。

四則逆算(Web-CAB)

簡単な一次方程式を50問解きます。簡単、というのはコンピュータにやらせれば一瞬で出てくるというだけで、地力でクソ真面目に解こうと思うと結構時間を喰います。50問を9分ですから 1問当たり10.8秒の計算です。はっきり言って無理です。市販の参考書には 電卓を使えと書いてありますが、使っても間に合いませんでした。ですから、例えば分数と小数が組み合わせて出てきたら時間がかかるので当てずっぽうで選んで次進むとか、ある程度解答の取捨選択は求められるんじゃないかなと思います。

文字入力の速さに自信のある人は Microsoft Mathematicsというソフトを用意し、未知数を適当な文字で置き換えて方程式ごとパソコンに解かせるという手もありです。

構造理解(Web-CABの暗号

元の図形と移動先の図形を見て、その間の暗号がどんな役割を果たしているのかを解析してそれぞれ関係する3つの問題を解きます。これがいわゆるIT職としての適性をみるテストなのでしょうが、恐らくこういった問題に慣れている人でも全問解くのは難しいように思います。Web-CABの暗号問題としてしっかり対策をしておく必要があるのではないでしょうか。

英文(IMAGES)

一つの長文について2~3個の設問に解答していく形式の、よくある英語の問題です。単語・イディオムとしては高校卒業レベルのものばかりですが、やはり絶対的に問題数が多く、TOEICなどでよほど速読慣れしていないと時間内に余裕で終われる、ということはないと思います。筆者はある程度英語に自信がありましたが、それでも最後は 時間が足りず当てずっぽうに頼っていました。

序盤の問題は最初に設問を見てください。恐らくそれだけで長文のどこに注目すれば答えが書いてあるかが分かります。問題が進むにつれて、文章全部読まないと合ってるかどうか分からないみたいな問題が増えます。

性格(Web-GAB本格版)

同じ会社の他のWebテストでも一般的に使われているごく普通の適性検査です。目安は書かれていますが制限時間はなく、自分の普段の生活、行動について答えていくものですので、ここでは特に解説しません。

テストセンター

制作 リクルート
採用業界 全業界
出題科目 性格・能力(言語・非言語)・構造的能力把握・英語
難易度 BASIC
URL arorua.net

中小から大手まで幅広い企業で選考に採用されているのがこの テストセンターという形式です。皆さんが就活サイトでできる対策といえば基本的にこの SPI3というタイプのもの。元のURLから辿ることができなかったので確証は得られませんが、恐らくリクルート社が制作しているものと思われます。

まず皆さんが企業からテストセンターで受検してくれと言われたら、送られてきたIDでテストセンターのWebサイトにログインします。それまでに一度もテストセンターを利用したことがない場合は別途テストセンターIDを取得する必要があります。画面の指示に従っていれば理解できるかと思います。

ログイン後、企業から受検を指定された各科目について「 前回結果を送信する」もしくは「 改めて受検する」のいずれかが選べます。一度でもテストセンター受検をしているのであれば前回結果を送信することで二度手間を省けますが、 成績結果が非公開のため、不安があればしっかりと対策をした上で再受検というのも手でしょう。

改めて受検した場合はその科目については最新の結果だけが保持され、その成績が送信されます。この前提を踏まえて、受検結果を反復学習的に上げていくかどうかは……皆さん次第です。不確定要素しかないので、これに関してはどうしても断言はできませんね。

受検科目のうち、 性格適性検査だけは自宅受検となります。その後、必要があればテストセンター会場にて残りの科目を受検します。

繁忙期(おおよそ5月末~)は新潟にも会場を設置してくれるのでありがたいですが、それ以前に受検する必要がある場合、残念ながら東京か仙台かそこら辺まで足を運ぶ必要があります。他の会場は分かりませんが、東京の池袋会場は正直もの凄く場所が分かりづらかったです。

会場と時間が指定されていながら、何人かまとまってよーいドンでやるような形式ではなく、到着、受付が終わり次第順にパソコンに向かってカチカチ、終了次第各自解散になりますから、変なプレッシャーはかからないのではないかと。

ただ、この辺の流れは場所によって違います。新潟会場ではやや異なりました。中央区で一度受検しましたが、受付後同じ時間帯の受検者が全員揃い次第まとめて試験概要の説明、入室となりました。それ以外は東京と同じです。正直段取り悪いなと思いましたが、地方なのでこんなもんだと思うことにします。

具体的な内容ですが、とりあえず言語・非言語はマイナビのSPI対策と似たような問題が出題されると思っていて問題ないでしょう。受検時にシャーペンと両面白紙のA4用紙2枚が渡されます。自由に使っていいのはそれだけです。

Webテスティングサービス

問題はテストセンターとおおよそ同じなので早見表は割愛します。難易度的には筆記よりも若干難しめですが、これまでに紹介してきたEXT級の問題群から比べれば取るに足らない微々たる差です。他のテストではこんなこと書かれませんが、使っていいのは電卓、メモ、筆記用具と事前に説明がありますので、公平を期すためにそれ以外の「チート」行為はやめておきましょう(カンニングは和製英語、英語ではcheating)。