ES、筆記試験を見事通過したら、お次は面接、もしくはグループディスカッションになります。後者は企業によって必ずしも存在する選考フローというわけではないので後回しにして、ここでは特に個人面接について、一次と最終で何を話すべきかお話ししていきます。

集団面接については割愛させて頂きます。私の1年間の就職活動で集団面接だけは受ける機会がありませんでした。

大前提として覚えておくべきこと

面接は人対人のコミュニケーション。場合によっては一次面接で初めて人事とご対面、というケースも出てくるわけです。そうなると自ずと重要になってくるのは第一印象。身だしなみやビジネスマナーを過剰に意識してしまいがちになります。

確かに身だしなみを整えたり、丁寧にお辞儀をする、あるいは敬語を適切に使い分けるといった所作的な側面は大事です。ですが、そればかりを意識するあまり、喋る内容を御座なりにしては元の木阿弥です。面接はマナーが身に付いているかをテストする場ではありません、面接官に 自分を知ってもらうための場です。

自分がどういう人物で今までどういう事に尽力してきたのか、それをアピールできなければ面接を受ける意味がありません。まずそこをしっかり頭に入れておいてください。

一次面接

基本的に選考の面接といえば一次で人事、二次で現場社員、最終で役員が相手というのが相場ではあります。ですが私の受けたITの場合、一次で現場社員数名と話し、次がもう最終で役員面接というケースが多かったので、これをもとに解説します。

基本的に聞かれることといったらオーソドックスで、志望動機に始まり自己PR、学生生活で頑張ってきたこととその成果、苦労したこと、アルバイト経験等々です。大体1回の面接が 20~30分と長いように思えるかもしれませんが、こうした一通りを話していればそれくらいは余裕で過ぎます。

よくある質問ごとにある程度話すべきことを決めておくのは有用ですが、あまりにテンプレ化し過ぎてしまうとそれが仇となって臨機応変な返答ができなくなりますので、メモるのは大概にしておいた方がいいです。私なんかは結構思いつきで適当に喋っていましたので、その時々によって内容と因果関係がマチマチだったりしています(笑)

専門以外の業界を狙う場合、大学でやってきたことと聞かれたらそのまま素直に答えれば向こうも頷いてくれるケースが多いです。そこから「どういう取り組みでどんな成果を出せる人物なのか」を評価しているのだと思います。これが専門ではなかなか上手くいきません。例えば私は経済学徒で銀行にも何社かエントリーしましたが、そうした所の面接では「今日の日経新聞一面で気になった記事は?」とか「昨今のギリシャ危機について貴方の意見は?」とか、かなり 深堀りされます。

またそうしたことは大学の研究(卒論・ゼミ)についての質問でも言えます。IT企業の人事は経済学に詳しいわけではないので研究内容もざっくり分かりやすく説明すればそれで納得してもらえることが多いですが、銀行・証券ではそうはいかず、具体的な内容まで問われることが多々あります。専攻してきた分野の業界を狙いたいなら、これまでやってきた勉強内容を復習しておくことはまず必須です。

面接官は提出書類も参考にしています。何回か受けた印象でESの細かい内容まで目を通しているわけではないようでしたが、履歴書や成績証明書などは見ていると思った方がいいです。

履歴書では資格について聞かれることが多かったです。SE職に興味があったので技術系の資格も色々保有していましたが、ほとんどの採用担当は TOEICの点数しか見ていませんでした。英検は準1級でもほとんど評価されませんでした。難易度的にはTOEIC 720よりも英検準1級の方がはるかに難しいと思うのですが、残念ながらそれが採用選考の現状のようです。

ですから裏を返せばTOEICで高い点数を取っていれば必ずと言っていいほど面接官の記憶に残すことができるのです。評価基準は企業にもよると思いますが、おおむね700点取っていれば十分大手でも通用するのではないかと。

それから成績証明書もある程度は眺めるようです。極端に単位が少なかったり、記載されている点数、GPAが低かったりすると悪い印象を与えてしまいます。学力だけで人物を評価する企業はないと思いますが、学生の本分は勉強であって、それを頑張ってきたことが見て取れれば入社後もきちんと働いてくれるだろうという期待が持たれるのは当然のことです。単位が足りない、勉強していないというのはその逆です。 学生時代勉強もロクにしていない人が仕事を真面目にしてくれるのか。そういうことです。

最終面接

最終は役員面接で、面接官3~5対学生1というのが主流のようです。役員ということで平均年齢も高く、人数が多いというのもそうですが一人ひとりの凄みが違います(笑)

質問内容としては一次とほぼ同様で受け答えも被る部分も多かったですが、やはり最終ではより深く掘り下げてくるという印象を受けました。最後の最後で言葉を詰まらせてしまわないためにも、事前にしっかりと自分研究をしておくことが重要です。

また最終選考ですから、採用する気のない学生ははなから絞り込んでいます。そのなかで役員は「誰を採用したいか」あるいは「誰と一緒に働きたいか」に評価基準を置いて面接に臨んでいるわけですから、自分を知ってもらうだけでなく、いかに自分をより魅力的にアピールできるかが合格のカギとなるでしょう。

また、入社の意志のない学生は絶対に採用しません。学生を採用するということは企業にとっても莫大なコストがかかっているのです。一説によれば大企業が1人採用するのに 年間1,000万円前後かけているそうです。そこまでして内々定を出したのに「やっぱり辞退します」と言われては採用担当者の面目は丸潰れです。取締役もブチギレです。

ですから、ここまできたら企業はとにかく 内々定を出したら絶対に入社してくれる人を優先的に採用します。あなたがどんなに正直者だったとしても「当社の志望度合は?」と最終で聞かれたら二つ返事で「第一志望です」と言っておきましょう。